留学体験記-2 課外での取り組み

1. 週末の過ごし方

私は建築環境工学を専攻し、本留学後は再生可能エネルギーの会社で働きます。そこで、「欧州の建築や町並みを自分の目で見て感じる」「欧州で環境・エネルギー問題がどのように捉えられているか多くの人と議論する」という2つの留学の目的のもと、休暇時にはなるべく他国・他地域にも足を伸ばし、一次情報を得ることを重視しています。欧州の人からすると、私のように短期間で必死に旅するアジア圏からの留学生を見て「何をそんなに生き急ぐの?」と疑問に思うようです。欧州にはシェンゲン協定があり、パスポートなし・数時間で隣国に行けるという地理的理由が大きいです。また4~5週間のバカンス文化があるためでもあります。私自身も「これが人生最後かもしれない」と思いながら欧州を回りつつも、最後にしない仕事や家庭を選択するためにはどうすればいいだろうかと、真剣に考えさせられます。前置きが長くなりましたが、こうして行った中でも特に印象的だった、英国でのエネルギーの展示会と、スペイン旅行について記載します。


2. エネルギーの展示会:All-Energy@グラスゴー(英)

All Energyは化石燃料、再生可能エネルギー、水素や蓄電池など250の関連企業が出展する、8000人前後が参加する国際展示会です。参加前は、海外のエネルギー市場はどれほど未知で画期的なのだろうと半ば恐れていましたが、実際に参加してみると「日本の先ではあるものの、全く違う世界ということはなく、同じ線上ではある」と感じました。というのも、以前日本で似た展示会に行ったことがありますが、技術によっては、日本の方が精密・繊細ではと思ったりもしたためです。たしかに再エネの導入において、日本は追随者かもしれませんが、一律に「欧州は進んでいる」と括るのではなく、現在の欧州のどこまでが日本にも当てはまりうるのか、逆に日本の方が進んでいる面は自国産業の強みとして押し出せないか、を見極める必要があると感じました。

一方で、私の知識や英語力の不足から、各社の技術の真価を把握できなかった可能性は否定できません。ビジネスにおいては、さらなる英語力と、それに裏付けられる自信に満ちた交渉力が求められると痛感しました。また出展者の多くは英国企業でしたが、BrexitによりEU各国政府から資金が調達しづらくなること、かつて造船業で栄え衰退したグラスゴーの歴史などを参加者と話す中で、英国が洋上風力にいかに賭けていること、などを伺えました。

実際に会場に足を運んだことで、二次元のニュースから得ていたイメージ情報とは異なる、温度感と立体感の伴った学びが得られました。


グラスゴーAll Energy会場


3. イースター旅行@スペイン

4月の2週間のイースター休みで行ったスペインは、宗教・歴史・文化が建築に刻まれた国でした。バルセロナでは天才建築家・ガウディの建築を巡りました。特に1882年に着工し、今なお建設途中のサグラダ・ファミリア聖堂にあふれる光は名状しがたく、「何十年にも渡り、これほど世界中を魅了する建築が存在するのか」と感動しました。その後、南下してグラナダとセビーリャに行きましたが、南に行けばいくほど、かつてのイスラム文化の影響が色濃く見られました。とくに世界最高峰といわれるイスラム建築・アルハンブラ宮殿の幾何学模様の装飾は、まさに計算しつくされた異次元の色彩感覚で、圧巻でした。セビーリャでは、かつてのイスラム宗教建築が転用されたキリスト教の教会も見られました。こうした建築物は、建築が時を超えて、その歴史を後世に伝える役割を果たしていることを静かに教えてくれているようでした。


サグラダ・ファミリア(スペイン)

アルハンブラ宮殿(同)